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2024年2月

 水仙、蝋梅、クリスマスローズ(別名レンテンローズ)・・・教会の庭に春の花が咲き、まだ冷たい風の中に春の訪れを告げる香りが宿り、心を和ませてくれます。

 2月3日(土)は今年最初の「ふれあい食堂」が開催されました。食材の買い出し、ケーキ焼き、きくらげの佃煮作り、前日そして当日の調理と弁当作り、たくさんの準備をして、12時から販売開始。近隣の皆さんが来られます。顔馴染みの方も増え、会話にも親しみが加わります。販売開始から10〜15分程度は大忙しです。毎回30分後には品薄となり、店じまいとなります。「ひとと 食と つながりと」と銘打った地域の皆さんへの食事提供活動です。

 2月14日(水)から受難節に入りました。受難節は「レント」とも呼ばれます。英語の「Lent」がそのまま日本語として使われているのです。原意は「断食」です。東灘教会ではレントに入った最初の日曜日、七本のろうそくを灯します。そして毎週一本ずつろうそくの火を消し、イエスが十字架への道を歩んだ苦しみを覚えて、礼拝を守ります。

 聖書はイエスの命と死に焦点を結び、神の働きを語ります。人類とか民族とか国民といったくくり方ではなく、今ここに生きるひとり、わたしが出会っているひとり、名前をもって呼びかけているかけがえのないひとりの人間の命、そして死が大事です。今、一緒に生きている人との関わりという具体性において、命の重さは身にしみるのです。

 こんな話を聞きました。ある父が娘の結婚式に重い病をおして出席し、その旅立ちを見守り、「最後の歌」を送りました。そして娘と夫は気持ちを残しながら新婚旅行に出かけました。旅行から帰って病床の父のもとを訪れた娘は「お父さん」と呼びかけました。父は娘が帰るのを待つかのように、「お父さん」という呼びかけの声に一筋涙を流して地上での命の旅を閉じました。この具体性が私たちに命の尊さと重さを伝え、心に刻ませます。







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