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2023年12月

 2023年の12月24日は日曜日でした。2017年以来6年ぶりです。クリスマス礼拝を守り、礼拝後には祝会、そして夜はクリスマス・イブ礼拝と続く一日となりました。夕方には庭の木にイルミネーションが点灯し、礼拝堂のエントランスにはペットボトルで作ったランタンが並べられ、ロウソクが灯されて、光の回廊ができました。イブ礼拝では、4人のヴァイオリニストと小学生のピアニストによって「グリーン・スリーヴスによる幻想曲」が演奏されました。救い主の誕生に深くいざなわれる素敵な演奏でした。

 「グリーン・スリーヴス」は誰でも知っている曲ですが、その起源は誰も知りません。曲の旋律にウイリアム・チャタートン・ディックスが作詞した「御使いうたいて」という歌詞が付けられ、イギリスのクリスマス・キャロルとして、讃美歌第2篇216番にも載っています。

 ルカによる福音書は、救い主の誕生を最初に知らされたのは野に生きる羊飼いたちであったこと、そして救い主は「あなたがたのために」生まれたのだと告げたと物語っています。町の人々は、汚れた仕事だと羊飼いをさげすんでいました。当時はユダヤ社会で「外れ者」とされていました。その羊飼いたちに「あなたがたのため」と天の使いは告げました。「あなたがたのためにも」ではありません。意味深い出来事です。

 人は誰でも、他の誰かではなく、自分が羊飼いのように野に生きる立場に立たされる時があります。外れ者となる時があります。仲間から外されてしまう時があります。辛さやしんどさの中で膝を抱えたまま踏み出せなくなる時があります。そのような時こそ「あなたがたのために救い主は生まれた」と語り切る世界が備えられている、と聖書は告げるのです。






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